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糖尿病についてDiabetes

はじめに


糖尿病と聞いて皆さんはどんな印象を受けますか?
あまり良い印象はないと思いますが、多くの方が、目が見えなくなっかね・透析しんばダメら・足腐って、もがんばダメら・インスリン打たんばダメら・早よ死ぬんかね・・・など初めて"糖尿病"ですと病名を伝えた患者さんは質問してきます。間違いではありませんが、誤解が多く、すべて予防できる症状なんです。しかし早期発見・早期治療が遅れ、治療中断があることで、今までは症状がなかったのに、ある日突然、合併症が出現する危険な病気なんです。

糖尿病とは


まず血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことで、空腹時の健康成人では血液100ミリリットル中70~110ミリグラム。常に一定範囲に保たれているのが、健常状態です。 食事を摂取すると、血糖値が上昇します。摂取した食物は消化管で消化・吸収されます。血糖値があがると、膵臓からインスリンという血糖を下げる働きを持つホルモンが分泌されます。インスリンは肝臓・筋肉・脂肪細胞などに働き、ブドウ糖を細胞内に取り込み、血糖値を低下させます。
膵臓からは同時に血糖を上げるグルカゴンというホルモンも分泌され、血糖を常に一定に保とうとしています。

インスリンが低下して、うまく働かなくなると、慢性的に血糖値が高くなり、血液の流れが悪くなるのが糖尿病です。

糖尿病にはと2型糖尿病があります。

1型糖尿病

2型糖尿病

1型糖尿病はインスリンを合成・分泌する膵臓のβ(ベータ)細胞がウイルス感染などで破壊され、インスリン分泌が消失することが主な原因です。1型糖尿病では絶対的にインスリン注射での治療が必要です。1型糖尿病は生活習慣病ではありません。

日本人の9割以上の糖尿病は2型糖尿病です。この病態は多くが生活習慣に起因しています。過食・運動不足・肥満・ストレス・加齢などが、引き金となりインスリンの働きが妨げられます。(インスリン抵抗性と表現します。) 遺伝的に日本人は、伝統的な和食中心の食習慣でしたから、血糖値があがりにくく、インスリンが少なくても良かった生活を営んできました。逆に欧米人は肉・魚・油・清涼飲料水など昔から血糖値をあげやすい食習慣でしたから、インスリンが多く(日本人の約2倍)なければ病気になりやすい体質でした。しかし1970年代頃から、欧米の食習慣が日本に普及したことで、日本人の少ないインスリンでは対応出来なくなり、先ほどのインスリン抵抗性とインスリン分泌低下が合わさり、多くの日本人が糖尿病を発症してしまいました。

糖尿病の診断


糖尿病の診断は、高血糖が慢性に持続していることを確認します。尿糖検査は内服中の薬や腎臓の尿糖排泄閾値によって影響があるので、確定診断には血糖検査が必要です。
空腹時にブドウ糖を飲んでもらって、空腹時と2時間後の血糖値から正常型・境界型(予備群)・糖尿病型か判定します。

HbA1c(グリコヘモグロビン)という過去1−2ヶ月間の平均血糖値を反映した検査(正常値4.6〜6.2%)と組み合わせて糖尿病の診断をします。
糖尿病は症状と血糖管理の状態が一致しない病気なので、1−2ヶ月毎にHbA1cの検査を行い、血糖コントロールの状況を把握しなくてはいけません。HbA1cは血糖コントロールの指標で、現在では合併症予防のため、7%未満に維持することを目標に治療を行います。
HbA1cの他の血糖コントロールの指標としては、グリコアルブミン(GA)や1.5AGなどがあります。

糖尿病治療の目標


HbA1cの目標値を7%未満としたのは、合併症予防の観点からですが、対応する血糖値は空腹時血糖では130mg/dl未満、食後2時間血糖では180mg/dl未満を目安にしています。 2013年5月の熊本で行われた糖尿病学会で、“くまもん”があなたとあなたの大切な人のために、7%未満を目標にしましょう!と発表しました。

くまもと宣言 2013 Keepyour A1c below7%

血糖コントロール目標

糖尿病合併症とその対策


合併症には、急激なインスリン作用不足によって起こる急性合併症・長年の高血糖によって起こる慢性合併症があります。

急性合併症
(1)高血糖
合併症には、急激なインスリン作用不足によって起こる急性合併症・長年の高血糖によって起こる慢性合併症があります。

高血糖

慢性合併症
慢性合併症には網膜症・腎症・神経障害と従来から糖尿病の影響が分かっていた合併症に加えて、歯周病・ガン・認知症も糖尿病が強く関与していることが分かりました。

(1)糖尿病性網膜症
糖尿病性網膜症(以下、網膜症と省略)の怖さは、自覚症状がないまま進むことです。ある日突然、「目の中に煙のススがたまったようだ」、 「真っ赤なカーテンが掛かっているように見える」―などの症状で眼科を受診することになるのですが、そのころには病気はかなり進んでいて、失明も覚悟しなくてはならないことが少なくありません。 高血糖によって血管が傷めつけられることが原因です。網膜には高血糖の影響を受けやすい細い血管が張り巡らされているため、糖尿病では特徴的な変化が現れてきます。単純網膜症、増殖前網膜症、 増殖網膜症という順番を経て進行します。糖尿病と診断されたら眼科の定期受診を忘れてはいけません。

また糖尿病と関係のある白内障の患者さんも多くなっています。目のレンズ(水晶体〈すいしょうたい〉)が濁る病気です。 歳をとれば誰にでも起こりますが、糖尿病のために発症や進行が早まることがあります。ほとんどの場合、水晶体を人工のレンズに交換する手術で、治療できます。

糖尿病性網膜症<

(2)糖尿病性腎症
糖尿病になると血管の負担が大きく、腎臓も負担がかかってきます。腎臓は体の老廃物を捨ててくれる臓器ですので、負担がかかると最終的には おしっこが出なくなり、透析治療が必要になります。最近では年間約16000人が透析の治療が必要になり、その半分以上が糖尿病による方です。多くの患者さんが、透析だけはしたくない!と言われますが、 いきなり透析が必要になる訳ではなく、まずは蛋白尿が出始め、浮腫(むくみ)がでます。そうなる前に血圧や血糖の厳重な治療が必要になります。定期的に検査を受けていれば、予防できる合併症ですが、症状がないので注意しましょう。

糖尿病性腎症

(3)糖尿病性神経障害
神経障害は高血糖の持続に寄って、主として両足の感覚障害が特徴で、アキレス腱反射や両足の振動覚や触覚の低下が認められます。 感覚障害の治療は、良好な血糖コントロールを維持することですが、長期間の血糖コントロール不良例では、急速な血糖改善による「治療後神経障害」を呈する例があります。感覚障害には全く 感覚がなくなり、火傷(高温でも低温でも起こりうる)や外傷に気づかず、感染を受けて、血行障害を来たし壊疽になって切断しなくてはいけないことが起こり得ます。 また痛みが強くなる有痛性神経障害は注意が必要ですので、足を良く観察し、少しの変化でも主治医に相談して下さい。もう一つの神経障害に自律神経障害があり、 起立性低血圧・無痛性心筋虚血・無自覚性低血糖・便通異常・神経因性膀胱・勃起障害などがあります。

糖尿病性神経障害

(4)動脈硬化疾患(脳血管障害・冠動脈疾患)
脳梗塞・心筋梗塞に代表される命に関わる合併症です。糖尿病患者は健常者の3倍以上といわれています。 また糖尿病になる前の境界型(予備群)の時から、危険が始まっていることも分かっています。いつ誰に起こるかが分からないので、起きないような準備が必要です。血糖だけではなく、血圧・脂質 も重要なポイントです。肥満もタバコも危険因子です。

動脈硬化疾患(脳血管障害・冠動脈疾患)

(5)末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)
間歇性跛行(かんけつせいはこう)といって、すこし歩くだけで、大腿部・下肢が痛くなって、歩けなくなり、 蹲踞(そんきょ)の姿勢で休むと、痛みが和らぎ、また歩くことが可能になりますが、すぐ痛くなる症状です。糖尿病患者の10−15%に合併し、喫煙者がなりやすい合併症です。

(6)歯周病
糖尿病になって血糖コントロールが悪いと、生体の防御機能が低下します。歯周病原菌の増殖が抑えられなくなり、歯肉の慢性炎症が起こり、 歯肉の腫れ・出血を認め、最終的には歯が抜けることになります。歯周病が重症であるほど、血糖コントロールは不良となり、歯周病治療によって血糖コントロールが改善することが報告されています。

末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)

(7)ガン
2013年5月、日本糖尿病学会と日本癌学会から合同で糖尿病の人のガンの罹患リスクについて発表もあり、糖尿病は肝臓ガン、すい臓ガン、大腸ガン、 全ガンのリスク増加と関連していたことがわかりました。しかし、糖尿病だから必ずガンになる、というわけではなく、その背景には食生活や生活環境などさまざまな要因があると考えられます。食事、 運動、体重コントロール、禁煙、節酒などの生活習慣の改善は、血糖コントロールのみならず、ガンの予防にもつながります。定期的にガン検診を受けながら、糖尿病本来の治療を行いましょう。 良好な血糖コントロールを目指していくことがガンの予防にもなります

(8)認知症
認知症は「アルツハイマー型」と「脳血管型」に分けられますが、糖尿病の高齢者は糖尿病ではない高齢者と比べて、どちらの認知症でも約2倍に増えます。 認知症の発症率は、糖尿病の期間が長いほど高く、動脈硬化や腎症などが進んでいる人にリスクが高いことがわかっていますし、HbA1cが7%以上になると認知症の発症率が上昇します。さらに、認知症があると 糖尿病になりやすいことも明らかになっています。

認知症

糖尿病治療の実際


食事療法
日本糖尿病学会が推奨する食品交換表に基づくカロリー制限食とは、糖尿病治療の原則である個人のライフスタイルを尊重しながら、適正なエネルギー量で、栄養バランスがよく、 規則正しい食事を実践し、糖尿病合併症の発症または進展の抑制をはかれる食事です。今話題の低炭水化物食では体重減少、内臓脂肪減少によるインスリン抵抗性の改善、食後高血糖 改善効果がありますが、継続率が低く、癌,心血管イベント、死亡率の増加が懸念されます。たんぱく質摂取過多による腎症悪化の可能性もあります。主治医と良く相談してから実施 してみましょう。食後高血糖を改善する方法としては、よく噛んでゆっくり食べる、野菜を先に摂取する、グライセミックインデックスの低い食物を摂取することなどが推奨されます。

食事指導のポイント

食事指導食事制限

運動療法
運動出来る方には苦痛は伴わないと思いますが、糖尿病の方々にとっては運動するという言葉がストレスに響くことが多いと思います。しかし誤解しないで欲しいのですが、 毎日少しずつでも動くことは糖尿病の治療が目的ではなく、良い年の取り方・晩年まで動けることを目標にして欲しいです。

(1)運動の種類には酸素を十分に取り入れながら行う有酸素運動(歩行・ジョッギング・水泳など)やおもりや抵抗負荷に対して行うレジスタンス運動があります。 両者を取り入れたお勧めの運動は、可能であれば水中歩行が膝の負担もなく有効と考えます。

有酸素運動とレジスタンス運動

運動

(2)強度・頻度としては、「楽だな」と思う強さで、1日15−30分程度でも有効であることがわかっています。1日100〜200kcalの消費を目指しましょう。

100キロカロリー消費する運動と時間

(3)運動を制限または禁止しなくてはいけない方もいますので(網膜症・腎不全・狭心症・神経障害など)、主治医と必ず相談してから運動療法を始めましょう。

糖尿病における運動の効果

薬物療法
経口剤治療を始めるにあたって、必ず皆様方の生活習慣食事・仕事の時間などをお聞きし、図の中から皆様に適した内服薬を処方しています。可能な限り、忘れないで 内服して下さい。当院での薬を紹介します。

(1)経口血糖降下薬

1)スルフォアニル尿素(SU)薬(商品名:アマリール)
【作用と注意点】
・すい臓に働いてインスリン分泌を促進します。
・症例によっては、低血糖を起こすことがあります。
スルフォアニル尿素(SU)薬(商品名:アマリール) スルフォアニル尿素(SU)薬(商品名:アマリール)
2)速効型インスリン分泌促進薬(スターシス・ファスティック) 
【作用と注意点】
・前述SU薬より服用後短時間でインスリンを分泌。
・必ず食直前に内服して下さい。。
速効型インスリン分泌促進薬(スターシス) 速効型インスリン分泌促進薬(ファスティック)
3)αグルコシダーゼ阻害薬(ボグリダーゼ・セイブル)
【作用と注意点】
・食糖の吸収を遅らせて、食後の血糖を抑えます。
・必ず食直前に内服して下さい。
αグルコシダーゼ阻害薬(ボグリダーゼ・セイブル) αグルコシダーゼ阻害薬(セイブル)
4)ビグアナイド(BG)薬(メデット・メトグルコ)
【作用と注意点】
・肝臓でのインスリンの働きを良くする薬です。
  ・腎臓が悪い方は内服できません。
  ・造影剤検査をする前の1週間は休薬しましょう。
ビグアナイド(BG)薬(メデット)  ビグアナイド(BG)薬(メトグルコ)
5) チアゾリジン薬(アクトス)
【作用と注意点】
・脂肪細胞に働いてインスリンの働きを良くします。
・むくみが出る人は、主治医に話して下さい。
・体重が増えやすいので、注意しましょう。。
チアゾリジン薬(アクトス)
6) DPP4阻害薬(グラクティブ・ジャヌビア・スイニー・トラゼンタ)
【作用と注意点】
・血糖が上がった時だけインスリン分泌を促進。
・血糖をあげるホルモンを抑えます。
・単独では低血糖を起こしにくい薬です。
DPP4阻害薬(グラクティブ・ジャヌビア・スイニー・トラゼンタ)
7) SGLT2阻害薬(スーグラ・フォシーガ・アプルウェイ)
【作用と注意点】
・ブドウ糖がおしっこから、体に戻って来る働きをブロックして、おしっこに尿糖をいっぱい出して血糖を下げる、新しい薬です。
・体重減少が期待できます。
・尿路感染症・性器感染症に注意しましょう。
・脱水になりやすいので、水を多く飲みましょう。
SGLT2阻害薬(スーグラ・フォシーガ・アプルウェイ)

糖尿病治療ガイド2014-2015 P.29 改変糖尿病治療ガイド2014-2015 P.29 改変

食後、運動などの生活習慣改善と1種類の薬剤の組み合わせで効果が得られない場合、2種類以上の薬剤の併用を考慮する。 作用機序の異なる薬剤の組み合わせは有効と考えられるが、一部の薬剤では有効性および安全性が確立していない組み合わせもある。詳細は各薬剤の添付文書を参照のこと。


(2)インスリン
インスリンを打ち始めたら、終わりだと思う方がいますが、決して全員がそうとは限りません。 インスリンは糖尿病治療の昔も今もエースの役割です。必要なときには早めに使うことが治療の近道です。 インスリンは悪者ではありません!

1) 超速効型(ヒューマログミリオペン・アピドラ)
【作用と注意点】
・注射後の効果が早く、約2時間の効果があります。
・食事を食べる直前に注射します。
・食後の血糖を抑える目的に使用します。
超速効型(ヒューマログミリオペン) 超速効型(アピドラ)
2) 混合型 (ノボラピッド30ミックス・ヒューマログミックス50)
【作用と注意点】
・超速効型と持効型を30・50%に混合したものです。
・どうしても2回しか注射出来ない方に勧めます。
混合型 (ノボラピッド30ミックス) 混合型 (ヒューマログミックス50)
3)持効型(ランタス・トレシーバ)
【作用と注意点】
・1日1回で持続的な効果を示します。
・不足している基礎インスリンの代わりをします。
・空腹時血糖を抑えることを目標に使います。
持効型(ランタス) 持効型(トレシーバ)

(3)GLP-1受容体作動薬

1) ビクトーザ・ビデュリオン・リキスミア
【作用と注意点】
・内因性(自分の)インスリンがなくなった方は使用出来ません。
・食欲抑制作用があり、体重低下作用が期待出来る。
(胃の動きを抑制して、すぐに満腹を感じます。)
ビクトーザ ビデュリオン リキスミア
注射針
 注射針は改良が進み、細く、短くなり痛みが軽減されています。

注射針

低血糖


糖尿病の合併症を予防するためには、血糖が正常に近いことが重要です。しかし薬やインスリン注射を不適切に使用することで思いの外、 血糖が下がりすぎて(これを低血糖と言います)、不慮の事故がおこる場合があります。特に糖尿病の飲み薬やインスリン注射をしている患者 さんに起こる危険があります。患者さん一人一人で低血糖の症状や低血糖の起こる血糖値や低血糖の起こる時間は違います。対策としては、低 血糖の症状や起こしうる状況・時間帯などを理解して、早めにブドウ糖を摂取してもらうことで危険を回避出来ます。

低血糖のはひふへほ

*はひふへほの症状 《低血糖のはひふへほ》
は:はらへった
ひ:冷や汗
ふ:ふるえ
へ:変なドキドキ
ほ:放置は昏睡

シックデイ


糖尿病患者が治療中に発熱・下痢・嘔吐を来たし、食欲不振のため食事が出来ない日をシックデイといいます。インスリン治療中の方は、食事が摂れなくても自己判断でイ ンスリン注射を中断してはいけません!発熱・下痢(消化器症状)があるときには早めに主治医と相談して下さい。水分補給は大事ですが、下痢するようならば点滴が必要です。 食欲がなくてもお粥・アイス・果物・ジュースでもこの際は口に入れて、絶食しないようにしましょう。そして必ず主治医・病院に電話で状態を報告して下さい。

シックデイ

糖尿病に合併した高血圧の管理


基本は130/80未満を目標に、食事療法(特に減塩6g/日がベスト)・運動療法を行い、3ヶ月以上コントロール出来なければ、降圧剤を始めます。血圧の薬は一生止める ことが出来ないと思うのはマチガイです。低下しすぎて立ちくらみなどの症状がある場合は、早めに主治医に報告して下さい。

高血圧治療ガイドライン

立ちくらみなどの症状がある場合は早めに主治医に報告して下さい

たちくらみ低血圧

糖尿病に合併する高血圧の治療


*ただし、動脈硬化性冠動脈疾患,末梢動脈疾患合併症例,高齢者においては降圧に伴う臓器灌流低下に対する十分な配慮が必要である。
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編 高血圧治療ガイドライン2014 78頁:7-1,2014より引用

糖尿病に合併する高血圧の治療


脂質異常症が合併した場合は心血管疾患のリスクが高まりますので、早めに治療することが大事です。血圧と一緒で食事療法・運動療法が最も大事ですが、悪玉コレステロールのLDL、 中性脂肪(TG)を早く下げて、善玉コレスロールのHDLを増やすことが大事です。特にHDLをあげる食べ物はこれ!といったものがなく、禁煙と運動で上がるといわれています。

日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編 高血圧治療ガイドライン2014

LDL-C:LDLコレステロール
HDL-C:HDLコレステロール
TG:中性脂肪(早朝空腹時の採決による)
non-HDL-C:non-HDLコレステロール睡

糖尿病患者の脂質管理目標値

LDL-C値はTG値が400mg/dL未満の場合、下記のFriedewaldの式で計算するのが望ましい。
LDL-C=TC-HDL-C-TG/5 (TC:総コレステロール)
TG値が400mg/dL以上、および食後採決の場合は、non-HDL-C (TC-HDL-C) を参考とする。
日本動脈硬化学会編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版,42頁,2012より引用

高齢者の糖尿病


高齢者になっても糖尿病による高血糖や低血糖は命の危険を導きます。内服薬も高齢になることによって、副作用が出やすく なる危険があります。普段と変わった症状が出現したら、遠慮することなく、早めに主治医と相談して下さい。糖尿病を誤解せず、 上手に向き合っていただく事が、楽しく、健康寿命を全うしていただくための方法だとご理解下さい。

高齢者の糖尿病患者にみられる傾向

日常生活の注意の10か条


・1日3食、早食いを避けて摂りましょう!
・夕食を可能な限り早い時間に!
・夕食後は一切口にしない!
・清涼飲料水は避けて、水かお茶に!
・果物は1日1種類、手のひらサイズで!
・間食は控えましょう!
・休肝日は1週間に3~4日を!
・1日1回、食後30分以上の散歩・体操を!
・禁煙を!
・治療は中断しないように!

不明な点は遠慮せず、スタッフに相談してください!
皆様が糖尿病とうまく付き合って、克服してくれることを願っています。

中川内科医院
中川 理&スタッフ一同

中川医院スタッフ一同


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